次亜塩素酸ナトリウムについて

≪  休業要請対象クラブ  プール再開に当たって  ≫

スイミングプール水質管理懇話会
        世話人    関  秀行

「新型コロナウイルスと塩素消毒」を読んだプール関係者から、プール再開へ向けての留意事項についてコメントを求められましたので、全国のプール施設に共通する留意点をここに記します。

1.プール付帯施設の消毒

(1)半生物のウイルスにも寿命があります。

ウイルス不活性化のメカニズムがどうであれ、湿度が 50%以上になるとウイルスはその外観形状を残したままスパイク・タンパク質が変性し、不活性化(感染しなくなる)します。20 分後には 90%以上が俗にいう“死ぬ”のです。

プールで塩素消毒に用いている 12%次亜塩素酸ナトリウム液は、この不活性化速度を極端に速くできる薬剤です。厚生労働省・自治体で定めているアルコール消毒では、“ビショビショ”に濡れている状態を 1 分間以上継続してようやく 99%の不活性化ができ、それでも次亜塩素酸の1/150,000 の不活性化力です。

(2)12%次亜塩素酸ナトリウムを 1,000 倍希釈し、物体表面に噴霧・清拭。        

12%次亜塩素酸ナトリウムを 1,000 倍に希釈すると、120mg/L の次亜塩素酸ナトリウム希釈水になります。ハンドスプレーでこれをロッカー内部、扉の内外面、手をつく通路壁面、手すり・イス・使用したマスク・タオルなどの表面を消毒します。

  プールではかつて脚洗い場・腰洗い槽があり、50~100  mg/L の水に浸かってからプール室に入りました。噴霧であれば、手指消毒にも支障はありません。

一般社団法人 日本スイミングクラブ協会より抜粋

6月 4, 2020